"0530グローウェル、中国でドラッグ500店に 従来計画の4倍 :日本経済新聞"

 ドラッグストア「ウエルシア」などを運営するグローウェルホールディングスは中国での出店計画を、5年後に500店と従来計画の約4倍に上方修正した。合弁先の小売り大手の百聯集団(上海市)が運営するショッピングセンター(SC)に積極出店することで、店舗数を一気に増やす。現地の流通大手と組む利点を生かし、国内同業に先駆けて店舗網を築く。

 中国出店の事業主体は昨年11月に設立した合弁会社「聯華毎日鈴商業」で、百聯傘下のスーパー大手の聯華超市が43%、グローウェルが39%出資する。当初は5年でドラッグストア120店を計画したが、上海を中心に大型スーパーなど5000店超を持つ百聯グループのSCに入居することで初期コストを抑え、安定した集客が期待できると判断した。合弁会社は中国1号店を6月1日に上海市内で開く。店名は「桜工房」とし、日本の化粧品、日用品、健康食品を中心に販売する。

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"0530円・人民元交換の手数料軽減へ 来月1日から直接取引、元建て商品が身近に :日本経済新聞"

 三菱東京UFJ銀行など日本の3メガバンク・グループと中国の大手銀行が6月1日から円と人民元の直接取引を始める。これまで流通量の多いドルを間に挟んで売買していたが、成長力をにらみ市場を整える。FX(外国為替証拠金)取引業者が参入を計画するなど民間も関連市場の拡大に期待を寄せる。日中両政府の思惑や個人や企業の利点についてまとめた。

 

  円と人民元の直接取引の仕組みは。

  東京と上海で少し違う。東京では取引に参加する銀行がそれぞれ円・元の交換レートを提示し合い、それに基づいて取引する。東京市場に人民元の規制はなく、相場は自由に変動する。

 上海では中国外貨取引センターが複数の銀行を選び、各行が示すレートの平均値を毎朝公表する。参加する銀行はそれを基に取引する。中国本土なので相場の変動幅に1日当たり上下で3%以内という制限がある。

  企業や個人にメリットはあるのか。

  手数料の減少が期待できる。今は円と元を交換しようとすると円を流通量の多いドルに替え、そのドルを元に替える二度手間が主流だ。

 直接取引で手間を省き、手数料が軽くなれば、顧客は有利なレートで元を売り買いできる。ただ、足元の取引はドルを介した方が圧倒的に多いため、むしろコストが安い。両替などの手数料の減少は、直接取引の十分な拡大が前提となる。

 元建ての金融商品も身近になりそうだ。元預金を扱う銀行が増えたり、元建ての金融商品が購入しやすくなったりする見通し。元建て債券を出しやすくなれば、企業の資金調達の道も広がる。

  日中両政府はなぜ市場の整備に動くのか。

  中国に都合がいいのは、取引にドルを挟まないで済むことだ。ドルに依存していると米当局の意向次第でドル取引が封じられ、金融面の制裁を受けかねない。アジア圏で元建て決済が広がれば、貿易面の為替リスクを縮小できる。

 日本は中国本土以外で人民元関連の商品を取引する「オフショア市場」を東京に作ろうとしている。直接取引で、競争先のロンドン市場などに先行する狙いがある。

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"0530円と人民元の直接取引を東京市場の力に :日本経済新聞"

日中両国政府は、円と人民元の直接取引による交換を6月1日から東京と上海の両市場で開始すると発表した。

 現在、円と人民元は主に米ドルを仲立ちにして交換されている。新しい枠組みが順調に発展すれば、日中間の貿易などに携わる企業は為替取引にかかるコストを減らし、銀行は決済リスクを抑える効果を期待できる。

 財務省によれば、2011年の日本の対中輸出は約12兆9000億円、中国からの輸入は約14兆6400億円で、いずれでも中国は最大の取引相手。一方、中国の統計によれば日本は中国にとって米国に次ぐ第2位の貿易相手国だ。

 日中間では投資や観光も活発で、とりわけ近年は中国から日本へという流れが急拡大している。円と人民元の交換コストを抑制できれば、日本の幅広い産業に役立つ可能性が大きい。

 日本の成長戦略の一環として「東京市場の活性化」(安住淳財務相)にもつなげたい。中国本土以外で人民元建ての金融商品を取引する市場の育成で、東京はロンドンやシンガポールと競り合っている。直接取引が拡大すれば、使い勝手の良い市場として必要な条件の一つが整う。

 中国政府が人民元との直接交換を認めたのは、主要通貨では米ドルに次いで円が2番目だ。中国政府は資本取引規制や為替相場に対する影響力を保ちながら人民元の国際的な利用を広げる戦略を進めており、円との直接交換もそうした戦略の一環とみられる。

 当面、人民元取引には様々な規制がともなう見通しで、円との直接交換がどれほど膨らむかは未知数だ。安住財務相は、取引上の障害が出てきた場合は随時中国側と協議して「利便性を高めていきたい」としており、日本の交渉力が問われる場面も予想される。

 今回の取り組みは、日中両国の金融市場の発展に向け協力を強化するとした昨年12月の首脳会談での合意の具体化だ。この合意に基づき日本政府が中国の国債を購入することも決まっている。

 尖閣諸島問題をはじめ日中間では最近あつれきが目立つ。それだけに金融面の協力を着実に進めることは意義がある。韓国も含めた3国間の自由貿易協定の締結や環境・エネルギー面の協力など、双方に利益をもたらすテーマは他にも多い。改めて、一層の知恵と努力を両国政府に求めたい。

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"0530 60年越しの権力闘争 一党支配はいま(1) トップ決めた縁故と怨恨 :日本経済新聞"

 中国で全国人民代表大会が開会中の3月9日夕。次の最高指導者に内定している国家副主席、習近平(58)は北京の高級店で河北料理を楽しんだ。談笑の相手は因縁深い若き日の赴任地、河北省の幹部らだ。

 

 同じ日、重慶市トップだった薄熙来(62)は記者団に、側近が成都の米領事館に駆け込んだ事件を問われた。「革命歌を歌う運動は正しい。胡錦濤(共産党総書記、国家主席、69)同志も重慶に来てくれると信じる」。翌週までに、習ら9人の党政治局常務委員の会議で薄の解任が決まった。

習家・薄家の因縁

 一連の人事の伏線は1949年の共産党政権発足の直前にある。北京の知識人は隠れた歴史を明かす。

 北京から300キロメートルの山村、河北省西柏坡に立つ老革命家のレリーフ。共産党の北京入り前を描く群像中の3人に謎を解く鍵が潜む。習の父で副首相を務めた習仲勲。前国家副主席の曽慶紅(72)の父で内相を経験した曽山。失脚した薄の父で副首相だった薄一波。父親3人の顔はトウ小平の後方で三角形を描く。

 「西柏坡で習仲勲と曽山は仕事部屋が隣。宿舎も同じ棟で親しくなった」。現地の関係者は説明する。残る写真に関係の良さがにじむが、薄一波は不在だ。

 2007年の前回党大会に先立ち前総書記、江沢民(85)の側近、曽慶紅は無名の習近平を次世代トップに推し、後に国家副主席の職も渡す。老革命家の子弟らを指す「太子党」主導の典型的な縁故人事だ。

 胡錦濤はなぜ受け入れたのか。彼の師匠は党青年組織の共産主義青年団が地盤の元総書記、胡耀邦だ。党が87年、学生デモへの対処が甘いとして胡耀邦の解任を決める際、薄一波は先頭に立った。良識派の習仲勲は「こんなやり方には断固反対だ」と抵抗した。恩師を守った人物の息子への権力委譲なら、理屈が通る。

 習家と薄家の因縁は60年代から。毛沢東の虎の威を借る薄一波らはある小説を材料に習仲勲を攻撃、失脚させた。その仕打ちを知る習近平が「年上で目立つ薄熙来は野心家。常務委に入れば兄貴分づらし面倒だ」と考えてもおかしくない。

 07年の党大会で習近平に先を越された薄熙来は重慶で勝負し、失敗した。指導者の電話盗聴の疑惑が浮上し、妻の英国人殺害容疑が駄目を押した。

一致した利害

 恨みが絡む更迭劇の筋書きは63年前に決まっていた。秋以降の党大会へ続く劇の第1幕でだれが得をしたのか。まず習近平だ。目の上のこぶ、薄熙来は消えた。胡錦濤も長く続いた江沢民の影響力をそぎ、院政を敷ける。利害は一致した。

 北京の書店には習仲勲の伝記が並び始めた。表紙写真は習近平とうり二つ。人治の国ならではだ。縁故で選ばれた習近平の実力を世界が注視する。

(敬称略)

 世界2位の経済大国となり、国際政治でも影響力を強める中国。今春には、年内に開く共産党大会を前にした権力争いが世界を驚かせた。旧態依然の一党支配は、急速に豊かになった社会のひずみに対処できるのか。現代中国の姿を追う。

=関連記事国際1面に

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"0529パート労働条件見直し 厚労省方針 「正社員並み待遇」10万人増 :日本経済新聞"

厚生労働省は正社員と同じ働き方をする有期契約のパート労働者の待遇を正社員並みにするように制度を見直す方針だ。約10万人のパートの労働条件が改善される一方、企業にとっては負担増になる。制度の見直しに必要なパート労働法の改正案を来年の通常国会をめどに提出することを目指す。

 

 厚生労働相の諮問機関である労働政策審議会の分科会に29日に見直し案を提示する。パート労働者は(1)仕事の内容が同じ(2)転勤などの働く仕組みが同じ(3)実質的に無期契約――のすべての条件を満たした場合のみ、正社員と同じ待遇にすることが企業に義務付けられている。このうち「実質的に無期契約」という条件を削除する方針を決めた。

 現状で正社員待遇を受けているパート労働者は全体の1.3%の約18万人。条件の緩和によって対象は約29万人にまで広がる見込み。

 具体的には、給与や福利厚生施設の利用、教育・訓練などを正社員と同じにする。

 ただ、保護の対象が広がることに一部の企業が反発する可能性もある。通勤手当をパート労働者にも支給するかなど、労使の意見対立が残る点もある。厚労省は今後、細部を詰めたうえで、来年の法案提出につなげる方針だ。

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"0528中国の小売業、サービス強化 大手・百聯が宅配 規模拡大から転換 :日本経済新聞"

 【上海=菅原透】中国小売業で新たなサービスを軸に成長を模索する動きが出てきた。中国小売り最大手、百聯集団(上海市)が顧客の要望に応じて商品を宅配するサービスを年内に始める。中国の小売業は出店による規模拡大で成長してきたが、百聯はサービスの拡充で新たな需要を掘り起こす。中国政府は消費主導の経済成長を目指しており、サービス産業の育成が急務になっている。

 
 

聯華超市は上海市内を中心に中国国内で5100店舗以上を展開(上海市内の店舗)

 宅配は百聯傘下のスーパー大手、聯華超市(同)が手掛ける。まず上海市内の大型店4店を対象に宅配体制を整える。将来は上海を中心に大型スーパーからコンビニエンスストアまで全国5100店超の店舗網を生かして、きめ細かな宅配網を構築する。

 具体的なサービス内容は今後、詰めるが、インターネットや電話などで注文を受け付け、即座に顧客先に送り届けることを目指す。3年内に15億元(約190億円)の売上高が目標だ。

 モデルにしているのは日本の小売業だ。高齢者などの利用を見込んだセブン―イレブン・ジャパンなどの宅配サービスに着目。聯華超市の華国平総経理は「高齢化が進む構造は上海も日本と同じ。宅配ニーズは中国でも増す」と見る。

 上海など沿海都市部では小売業の業態が飽和状態になっているのもサービス事業進出の背景だ。人件費や売り場賃料の上昇で収益環境は悪化。香港の大型複合企業ハチソンワンポア(和記黄埔)グループのスーパー、パークンショップ(百佳超市)が上海市内の全2店舗を5月に閉鎖する。

 聯華超市も2011年12月期の売上高が前期比6.2%増の275億2000万元(約3500億円)、純利益は同0.7%増の6億2700万元と成長力に陰りが見える。「ネット通販を楽しむ消費者も増えており、こうした消費ニーズに対応する必要がある」と華総経理は危機感を示す。

 子供用品販売の南京孩子王実業は6月、上海に子供向けの写真館や英語教室を併設した店舗、2店をオープンする。上海進出は初めてで営業面積はいずれも5000平方メートル以上の大型店。単純な物販にとどまらず、施設そのものの利用で売り上げを伸ばす業態だ。

 中国国家統計局によると、4月の社会消費品小売総額(小売売上高)は前年同月比14.1%増の1兆5603億元と、この1年で最も低い伸びにとどまった。景気減速で物販だけでは小売業は成長しにくくなっている。

 中国の国内総生産(GDP)に占める第3次産業(サービス産業)の比率は4割超と、7割を超える日本など先進国と比べて低い。サービス産業の分野は成長の余地が残されている。消費を喚起する点からもサービス産業の成長が欠かせない。サービス事業を拡充する企業が増えれば消費を軸とした成長モデルへの転換も進みやすくなる。

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"0528米移民政策、割れる路線 デイトン市、積極誘致で活力 アリゾナ州 取り締まり強化 :日本経済新聞"

【シカゴ=野毛洋子】米国で移民受け入れを巡る議論が二極化し始めた。地域経済の活性化と人口減対策のため積極的に受け入れる動きが一部の州で出てきた一方で、雇用への悪影響などを懸念して受け入れに慎重な州もあり、今年11月の大統領選の争点の一つにもなろうとしている。「移民の国アメリカ」の先行きは、他の国々の移民政策にも影響を及ぼしそうだ。

 朽ち果てた廃屋の隣は真新しいレースのカーテンがかかる端正な家。向かいの家では改装工事の足場を組む大工が忙しげに働いている。かつては工場閉鎖が相次ぎ人口減少が進んでいたオハイオ州デイトン市(人口14万人)が活気づいている。

犯罪件数も減少

ロシアからの移民が経営するピザ屋は住民に人気(オハイオ州デイトン市)

 転機は7年前。ロシアからの移民が周辺の都市部に比べて物価の安いデイトンに住み着き始めた時のことだ。それまでは大企業の撤退などで活気が失われ、犯罪も多かったデイトンだったが、家族単位で移民が流入したことで地元経済が次第に回復。犯罪件数も減少に転じた。

 米国では、海外で生まれて米国に来た人であれば、一時滞在ビザや米国籍を取得した人々でも「移民」と定義される。

 ゲリー・ライチェル市長は「移民の起業率は米国人の2倍」と指摘し、その旺盛な活動ぶりが経済に及ぼすプラスの影響を評価。さらなる移民を呼び込むべく昨年10月に「米国で最も移民に優しい街」づくりを始めた。 警察が不法移民を見つけても大目にみることに加え、市が移民向けに病院や銀行での通訳サービスを拡充。市の身分証明書を発行し、運転免許や銀行口座を取得しやすくする案も検討している。

 高学歴の移民に照準を合わせた誘致策を打ち出す州も現れた。自動車業界が復活してきたことに伴い高学歴のエンジニアへの需要が増すミシガン州デトロイト。スティーブ・トボックマン元州議会議員は、同州の大学で学んだ外国人学生が卒業後もこの地に残れるよう大学と企業の橋渡しをしている。企業に就職できれば滞在ビザが取得しやすくなる。

書類携行、義務に

 もっとも、移民受け入れ促進とは正反対の動きもある。

 アリゾナ州議会は2年前、不法移民取り締まりを強化する州法を可決。滞在が合法であることを証明する書類を常時携行することを移民に義務付け、不法滞在の疑いがある人は州警察が拘束できる。アラバマ州なども同様の州法を導入。日系企業の従業員が逮捕されたこともある。

 移民受け入れは景気低迷期には停滞する傾向がある。雇用が奪われることへの懸念が高まるためだ。受け入れに積極的なオハイオ州デイトン市の政策をめぐっても「新しい移民を優遇しすぎ」との声がくすぶる。ただ、受け入れ反対に傾きすぎると経済の足かせになる面もある。

 米国の移民政策の大きな流れが今後どちらに向かうかを占う米連邦最高裁の判決が6月にも下される。最高裁は今回、取り締まりを強化したアリゾナ州の移民法が妥当かどうかの判断を示すのだ。米移民政策センターのウエンディー・セルサフ広報部長によると、現時点で「合法判決が出る可能性は50%」と極めて微妙な情勢という。

 「積極受け入れ」と「取り締まり強化」が交錯する米国。その行方は、人口減と経済成長底上げに悩む他の国々にとっても気になる動きだ。

<MEMO>移民制度、大統領が改革提唱

 米国の不法移民は現在、1100万人超とみられる。オバマ大統領は不法移民の雇用主への取り締まりを強化する一方、既に国内にいる不法移民には罰金など条件付きで合法化するなどの移民制度改革を提唱している。16歳未満で親に連れられて入国し、米国の高校を卒業した品行方正な子供に限って6年間の滞在を承認することも提案している。

 ただ、保守派は改革案に反対。大統領選の共和党候補にほぼ内定したロムニー前マサチューセッツ州知事も、保守派に配慮して「不法移民の恩赦は認めない」としている。

 不法移民問題は、あまり強硬な姿勢を取ればヒスパニック票を失う恐れがある一方、寛容すぎると厳しい雇用情勢に直面する中流層の反発を買う。11月の大統領選が終わるまで制度改革で大きな進展は難しそうだ。

(ワシントン=芦塚智子)

"0527政府、外国人との共生で検討会議 :日本経済新聞"

 中川正春男女共同参画担当相は22日の閣議後の記者会見で、外国人労働者の受け入れ問題などを検討する「外国人との共生社会」実現検討会議を設けると発表した。内閣府など関係する11府省庁の副大臣級で構成し、24日に初会合を開く。増加している日系外国人や中国人研修生などの日本語習得や雇用などの問題について学識経験者や地方自治体から意見を聞き、今夏までに対応策を整理する。議長は中川氏が務め、月に数回開催する予定。

"0527「人民元市場」先行狙う 東京で円と直接取引 日中貿易 決済円滑に :日本経済新聞"

 中国の通貨である人民元と円の直接取引に向け、日本政府が中国と最終調整に入った。東京で人民元建ての金融商品を取引する「オフショア市場」の創設に向けて人民元の流通量を増やし、競合相手のロンドンなどに先行する狙いがある。だが、人民元取引の普及には中国の資本・為替規制など障壁もなお多い。

 
 

 日中政府は、6月にも東京と上海で円と元を直接やり取りする銀行間取引を開始することで大筋合意。三菱東京UFJ銀行など3メガバンクや中国の大手銀行などが取引の準備に入った。安住淳財務相は近くこうした方針を表明する方向。日中政府は、6月初旬に東京都内で開く事務会合を経て、取引開始で正式に合意する見通しだ。

為替手数料減る

 日中間の貿易額(輸出入の合計)は2011年に27兆5400億円と、10年前の2.5倍に増えた。一方、貿易決済はドルを介した間接取引が大半で、人民元建て取引は1%未満という。上海の取引センターなどで円と元をそれぞれドルと交換し、ドルを介して円元の取引を成立させており、企業は二重に為替手数料を支払っている。直接取引が増えれば、こうしたコストを下げる効果が期待できる。

 日本政府は、直接取引をテコに人民元の取引を増やし、東京市場の地盤沈下を食い止めることも狙う。最終的には、中国の本土以外で人民元や関連の金融商品が幅広く流通する「オフショア市場」を東京に開設する考えだ。

 オフショア市場はいまは香港にしかないが、英政府はロンドン市場の国際的な地位を高めようと開設計画を公表。香港市場との協力関係も築いている。英大手銀のHSBCはロンドン証券取引所で点心債(人民元建ての社債)を発行した。シンガポール政府も、中国にオフショア取引を認めるよう要請している。

 日本はドル以外の主要通貨では初めてとなる元との直接取引をテコに、東京市場での人民元の流通量を増やし、ロンドンなどとの競争で優位に立つ考えだ。

 オフショア市場があれば、日本の企業が人民元での資金調達をしやすくなり、中国での事業拡大に生かせる。個人も人民元建ての預金や債券など資金運用の選択肢が増える。香港ではオフショア市場の設立以降、人民元建ての預金残高が急増。09年時点で1000億元を下回っていたが、11年11月末には6273億元にまで増えた。

中国の規制壁に

 だが、人民元取引の拡大に向けたハードルも多い。

 中国は対ドルでの人民元相場の変動幅を1日当たり上下それぞれ1%以内に収める事実上の管理相場制をとっている。円と元の直接取引が広がっても、値動きは一定の範囲内に制限される可能性が高い。円とドルのように、市場の参加者の様々な見方を反映するような柔軟な値動きにはならない見通しだ。

 国境をまたぐ資本の流出入にも制限が残る。株式投資なども当局が承認した一部の機関投資家にしか認めていない。海外投資家が人民元建て株式(A株)を売買するには、適格海外機関投資家制度(QFII)と呼ばれる資格を取得しなければならない。

 中国が人民元と円の直接取引に取り組むのは、外国為替取引のドル依存からの脱却が狙いだ。ドルを除く主要通貨との直接取引を本格化するのは初めて。元の決済通貨としての重みを増す国際化戦略を加速する思惑もありそうだ。

 「世界経済は米国、欧州、東アジアの3極があるが、東アジアだけが市場の統一で遅れている」。中国政府幹部はこんないら立ちを漏らす。域内の貿易や投資の決済をドルに頼る限り、米国の思惑とドル相場の変動が経済に与える影響を免れることができないからだ。

 中国政府はリーマン・ショック後、ドルへの不信から元の国際化を加速。輸出や輸入の決済で人民元を使うことを段階的に認め、2011年の中国の全貿易に占める元建て決済額は1割に達した。中央銀行同士が通貨を交換できる協定も相次ぎ結び、「元の国際化」を急ぐ。

 中国にとって、使用通貨を多様化する意味で、日本円は魅力だ。主要通貨の一つとして元と比べなお使い勝手がよく、日中間の貿易・投資の規模も大きい。時差による為替取引リスクもほぼ無視できるからだ。

 ただ、為替・資本規制の自由化にはなお慎重だ。元相場を制御しにくくなることへの抵抗が強く、株式や債券などの取引開放も「長期目標」。このため元が一気に国際的な主要通貨となるのは現実的ではない。規制の緩和を着実に進めることができるかが元の国際化を占う試金石になる。

(北京=大越匡洋)

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"0526円と元、来月にも直接取引 3メガ銀など 東京・上海市場、日中貿易を後押し :日本経済新聞"

 中国の通貨である人民元と円の直接取引が6月にも本格的に始まる。三菱東京UFJ銀行など日本の3メガバンクや中国の大手銀行などが東京市場と上海市場で取引の基準となる交換レートをそれぞれ決め、取引先企業に提示する。これまで円と元はドルを間に挟んで取引されていた。直接取引が広がれば手数料の削減などが期待でき、元建ての貿易決済の拡大につながる可能性がある。

 

 直接取引には3メガ銀のほか、中国の大手行の中国銀行、HSBCなども参加するもようだ。今も円と元の直接交換は可能だが、銀行側の体制が整っていないことなどから、円と元との交換はほぼ全量がドルを介した間接決済となっている。日中間の貿易では人民元建て取引は1%以下にとどまっており、為替手数料などコストがかさむ難点があった。民間銀行はレートを提示することで取引を促す。円・人民元の直接取引は輸出入を手掛ける日中の企業にとって、取引コストの低減につながるため、需要は強いとみられる。

 日中両国は昨年12月の首脳会談で円と元の直接取引拡大などを含む金融・経済協力で合意した。2月には財務当局と中央銀行などによる作業部会を立ち上げ、具体策の検討に着手。民間銀行に体制の整備を促してきた。

 直接取引を通じて人民元の国際化を支援し、日中間の貿易や投資の活性化を金融面から支える。日本は両国間の人民元の流通量を増やすことで、将来的に東京にオフショア市場をつくる狙いもある。

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"0526中国、景気指標に黄信号 実態映す電力消費や融資 :日本経済新聞"

中国景気の実態を映すとされる指標が「黄信号」を発している。人民元融資や電力消費量が相次いで悪化し、中国景気の減速感がにわかに強まったのを裏付けた。

 

 中国では国内総生産(GDP)など各種の統計を国家統計局が発表している。ただ、データへの信頼は高くない。政治的思惑などで「人為的に操作されている」との見方が強い。消費者物価指数も「実感と異なる」との批判を浴びている。人力資源社会保障省が発表する失業率は、統計局のデータ以上に評判が悪い。

 市場で「より信頼できる指標」との評価を得ているのは、貿易や銀行融資、電力消費など経済活動の現場に近い部局が発表するデータだ。政府内でもこれらの景気指標を重視する向きが多い。

 最近、明らかになった4月の指標は軒並み、大方の予想より悪かった。

 税関当局の貿易統計では輸入額が前年同月比0.3%増と、ほぼ横ばいだった。中国人民銀行(中央銀行)が発表した新規の人民元融資は、前月比ほぼ3割減った。輸入停滞は投資や消費など内需の不振を反映し、融資の伸び悩みは資金需要の減退を表す。

 国家エネルギー局が発表した電力消費量は前年同月比3.7%増。3月の7%増から急低下した。特に工業用の電力消費量は1.5%増にとどまり、生産活動の停滞を印象づけた。

 新華社によると、国家発展改革委員会エネルギー研究所の韓文科所長は「電力消費量は経済情勢を反映する比較的頼りになる指標だ」と指摘。「経済は深い調整に入った」と述べた。

(編集委員 飯野克彦)

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"0525訪日外国人、震災前水準に 4月78万人、アジアの客増加 格安航空の増便が追い風 :日本経済新聞"

 日本政府観光局(JNTO)が24日発表した4月の訪日外国人数は78万800人と前年同月の2.6倍に増えた。東日本大震災前の2010年4月実績(約78万8200人)にほぼ並ぶ水準を回復した。中国、台湾、タイからが好調だった。韓国と欧米からの訪日客の回復は遅れている。

 
 

家電量販店で買い物をする中国人客
(4月、東京・秋葉原)

 アジアからの訪日客が増えたのは、格安航空会社(LCC)など新規路線の就航・増便の効果が大きい。アジアは全て震災直後だった昨年4月の数倍に急回復した。欧米各国からも昨年4月よりは回復したが、年間で過去最高だった10年4月の水準には届いていない。

 タイからは単月として過去最高の4万800人。台湾も10年4月実績も上回った。中国は10年4月実績にわずかに届かなかったが、ビザの発給要件を緩めた効果で、個人旅行者が増えている。

 訪日客の回復で、家電量販店では外国人客の消費が目立つ。ビックカメラでは4月の免税品の売上高が前年同月の約10倍となった。大半が中国人客で「定番の炊飯器や腕時計など高額品の人気が高い」という。

 百貨店でも、そごう・西武は首都圏の基幹店4店での免税カウンターの取扱額が前年同月の3.2倍、三越伊勢丹の首都圏の店舗も4.8倍だ。「タイ人客が伸び、10万円以上の高級ブランドのバッグでは韓国人客を上回った」(東京・新宿の伊勢丹新宿本店)。東京都心のホテルでも外国人宿泊客が一昨年並みの水準まで回復した。

 アジアのなかで例外的に訪日客の戻りが鈍いのが韓国で、15万2500人と10年4月の約8割の水準にとどまった。「韓国では放射能汚染への懸念が強いうえ、円高・ウォン安も重荷となった」(日本政府観光局)






携帯事業を強化する華為の販売店(広東省深セン市)

 検索サービスで中国最大手の百度は家電大手の長虹と組み、899元(約1万1千円)の低価格スマホを近く発売する。文書や画像などのデータをネット上で保管し、他の端末でも利用できるようにするクラウドサービスを容量100ギガ(ギガは10億)バイトまで無料で提供。若者らの囲い込みを狙う。

 端末はEMS(電子機器の製造受託サービス)大手の台湾・鴻海精密工業が製造。通信大手の中国聯合網絡通信(チャイナユニコム)の店舗を通じて販売する。

 セキュリティーソフトで中国最大手の奇虎は国内外のスマホメーカーにセキュリティー、閲覧などの自社ソフトを提供する。すでに通信会社向け設備の世界2位で、携帯電話端末の事業拡大を狙う華為が奇虎との提携製品投入を表明した。

 中国のネット大手では電子商取引最大手のアリババ集団(浙江省)が北京天宇朗通通信設備(北京市)と組み、2011年に2680元のスマホを発売した。今年4月には699元の低価格品を投入。500元の商品券や商品検索などの機能を持たせてネット通販サービスに誘導する。

 ネット各社に共通するのは「低価格の端末販売で利用者を自社のサービスに呼び込む」(調査会社の易観国際の王穎アナリスト)という戦略だ。利益は端末の販売ではなく、多くの利用者を呼び込んだあとのネット広告や商品販売会社の出店料から得る考え。スマホの国内普及台数が2億台を超え、パソコンに続く主要なネット利用手段となったことに対応する。

 易観国際によると、中国の携帯電話市場(11年10~12月)はサムスンが首位、ノキア(フィンランド)が2位につけ、高価格品の「iPhone(アイフォーン)」だけの米アップルも6位に入る海外勢優位の状況だ。


"0523中国景気対策に期待 鉄鋼など関連株に底堅さ :日本経済新聞"


 東京株式市場で、中国関連株に底堅さが出てきた。景気減速懸念を背景に下げていた建機や鉄鋼など中国への輸出比率が高い業種が、22日はそろって上昇した。温家宝首相が景気刺激策に前向きな発言をしたと伝わり、過度な不安が和らいだためだ。中国政府の財政出動などで景気減速に歯止めがかかるようなら、日本の株式相場の支援材料になる可能性もありそうだ。

 

 22日の東京市場では、中国との関係が深い銘柄で構成する「日経中国関連株50」が3営業日ぶりに反発した。構成銘柄のなかでは神戸製鋼所とコマツが5%、商船三井が3%上昇したのが目立った。

 中国関連株が上昇したきっかけは、温家宝首相の「安定成長を一段と重要な位置に据える」との発言。東京市場では前日に伝わっていたが、米国市場でキャタピラーなど中国関連株が上昇したことで、改めて買い材料として意識された。21日の米株相場の大幅高で投資家心理が改善したため、このところ大きく下げていた中国関連株に買い戻しが入りやすかった面もある。

 市場では秋に控える指導部交代に向けて景気刺激策が一段と打ち出されると予想する声が多い。ただ岡三証券の塩川克史投資戦略部長は、中国の当局が投資に過度に依存した政策運営の見直しを進めていると指摘。「刺激策といっても、これまで続けてきた公共投資の削減に歯止めをかけるだけとなる公算が大きい」と分析し、日本株を大きく押し上げるインパクトはないと語っていた。 

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"0523「ガンダム」「プラレール」 主力玩具でアジア開拓 バンダイナムコ、通販の淘宝に出店 タカラトミー、取扱店を中国全域 :日本経済新聞"


 バンダイナムコホールディングスはアジア事業を強化する。主力の「機動戦士ガンダム」関連商品について、中国の大手通販サイト「淘宝(タオバオ)」に出店。百貨店が中心だった販路を広げ、3年後にアジアでのガンダム商品の売上高を現在の約2倍の80億円に引き上げる。タカラトミーも主力シリーズの戦略商品を投入するなど、玩具大手は成長著しいアジア市場の開拓を急ぐ。



バンダイナムコは実店舗だけでなくネット通販を通じアジア事業を拡大する(香港の売り場)

 バンナムHDはタオバオ内にガンダムのプラモデル(ガンプラ)の公式ショップを開設し、このほど約100点の販売を始めた。ガンプラの中国での販売価格は2千~6千円と中国では高額で、これまで大都市部の百貨店などを中心に展開していた。中国の通販サイトで8割のシェアを持つタオバオに出店することで、地方都市の需要を開拓する。

 物流管理やコールセンターなどの運営業務は、タオバオとの取引にノウハウがある、情報処理サービス業のトランスコスモスの現地法人に委託。バンナムHDが今春から広州と香港の現地法人に1人ずつ派遣したガンプラの担当者はアジア地域での営業・マーケティングに専念する。

 バンナムHDは4月には香港でもガンプラの自社専用サイトを開いたほか、台湾やシンガポールでも同様のサイトを3年以内に開設。ゲームを含めた現在のアジア事業の売上高は約180億円。展開済みの韓国を加え、主力のガンプラのアジアでの売上高を3年後に現在の約2倍の80億円に引き上げる。



 タカラトミーは主力の列車玩具「プラレール」シリーズで年内にもアジアで英国の人気アニメ「チャギントン」のキャラクター商品を投入する計画。来春には欧米でも展開し、同シリーズの海外売上高を2014年度に現在の7.5倍の45億円に引き上げる。

 重点地域の中国では来年3月までにほぼ全域に同社商品の取扱店舗を拡大。現在の上海に加え、北京、広州、成都に営業所を設置し、中国販社の社員数も現在の6割増の50人まで増やす。現地の子ども関連用品売り場の広さを確保するため今夏には衣料品も投入する。タカラトミーの11年度の海外売上高比率は昨年の米企業の買収効果で36%と高い。今後は自社商品の強化により、将来的に50%超を狙う。


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"0523中国減速、市場が警戒 景気指標が想定外の悪化で投資マネー流出 強まる元安圧力 :日本経済新聞"

【上海=土居倫之】中国景気の減速に市場が警戒を強めている。5月中旬に発表された4月の景気指標が想定以上の減速となり、悲観論を強めた「熱銭(ホットマネー)」と呼ばれる投資資金が流出し始めた。上海外為市場では人民元が一時2カ月ぶりの安値を付けるなど元安圧力が強まっている。




株価ボードを見つめる中国の個人投資家(22日、安徽省)=AP

 悲観論が強まるきっかけとなったのが、5月中旬に発表された4月の貿易統計や銀行の新規融資額などの景気指標だ。中国経済を支える輸出は前年同月比4.9%増と3月(同8.9%増)から急減速。「全体の2割近くを占める欧州向けが不振だった影響が大きい」とみずほコーポレート銀行・中国の細川美穂子主任研究員は分析する。予想以上の減速を受けて上海株式相場は節目の2400台を割り込んだ。

融資3割以上減

 企業の資金需要の弱さを反映し、銀行新規融資額も約6800億元(約8兆5500億円)と3月から3割以上減った。

 4月に発表された英HSBCの4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は景況感の節目の50を下回り、市場の不安心理が高まっていた。そこに貿易統計などが追い打ちを掛けた。東洋証券上海代表処の張岫首席代表は「当初は1~3月期に底打ちすると見ていたが、4~6月期以降にずれ込みそうだ」と警戒感をあらわにする。



 こうした見方を背景に投資資金は中国から流出し始めている。中国に出入りする資本額を示す外国為替資金残高は4月に4カ月ぶりに減少に転じた。欧州で再び信用不安が高まっていることも影響。これまで様々なルートで株や債券、人民元などに投資していた外国人が中国から資金を一部引き揚げているもようだ。

 中国人民銀行によると、4月末の外国資金為替残高は、3月末に比べて605億元(約7600億円)減った。中国では両替などで銀行が受け取った外貨は一部を除いて人民銀に売却することが多い。同残高は人民銀が市中銀行から外貨を買い取るために投じた人民元の累計額。貿易黒字だった4月は通常ならば残高は増えてもおかしくないが、投資資金の流出で今年になって初めて減少に転じた。

 景気減速懸念にこうした資金流出が重なり、人民元相場は弱含んでいる。人民銀が設定する人民元の基準値は米中戦略・経済対話直前の5月初旬に最高値を付けたが、市場では先高観が薄れた。4月以降、市場終値が人民元の設定する当日の基準値より元高だったことは1日だけ。

2カ月ぶり安値

 「昨秋のようなパニック的な状況ではなく、市場は落ち着いている」(邦銀の為替部門責任者)というが、21日の上海外為市場では1ドル=6.3351元と3月15日以来、約2カ月ぶりの安値水準まで売られる場面があった。海外市場で取引される人民元のデリバティブ(金融派生商品)も元安傾向だ。

 海外資金がこれまでのような流入一辺倒ではなくなっているため、中国政府は、海外資金を積極的に呼び込む姿勢に転換しつつある。外国人が中国の株式や債券市場に投資する際、必要となる適格海外機関投資家(QFII)の投資上限額を4月に引き上げたうえ、取得条件も緩和する方針を示す。年金など安定した長期資金を運用する海外投資家を国内市場に呼び込み、金融市場の安定性を高めることが狙いだ。

 【北京=大越匡洋】中国政府は減速が続く景気の一段の下振れを防ぐため、すでに計画しているインフラ事業の着工を急ぐ方針だ。温家宝首相は「けん引力の強い事業を早急に始動する」と述べた。予算の早期執行や融資の増加などを通じて事業を前倒しで実施する。国内外の需要が鈍るなか、投資増によって景気を下支えする考えだ。

 温首相は18~20日に湖北省を視察し、河北、遼寧、江蘇、湖北、広東、陝西6省の経済情勢座談会を開いた。温首相は国内外の経済環境は一段と複雑さを増していると指摘したうえで、「成長の安定を一段と重要な位置に据える」と強調した。

 鉄道、道路、内陸部の開発など重要事業への融資を増やし、「『やりかけの事業』が出ることを防ぐ」という。国内メディアによると政府は事業許可の審査を加速し、今年下半期の着工予定を上半期に前倒ししたり、来年の計画を今年のうちに実行したりすることを検討しているもようだ。

 景気刺激に向け、中国政府はすでに省エネ家電の購入補助に265億元(約3400億円)の財政資金を投じることを決め、3千億元程度の消費刺激効果を見込む。ただ、投資増を見込んで国内企業が生産過剰に陥る懸念もくすぶる。中国経済の中長期的な安定には、貧富の格差の縮小による内需の底上げなど抜本改革が不可欠だ。

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