"0117丸紅、新興国で穀物事業 中国大手と飼料合弁 まず中東・アフリカ メジャー並みの取引量狙う :日本経済新聞"

丸紅は中国飼料最大手の新希望六和(四川省)と新興国で穀物事業を展開する。まず中東やアフリカで配合飼料工場を合弁で設立、穀物倉庫など港湾設備を建設する。今後3年間の投資額は約300億円。中東やアフリカなどで食糧需要が増大している。丸紅は中国最大手と組み、いち早く成長市場を取り込み、原料となる穀物取引量を穀物メジャー並みの年3000万トンに引き上げる。

 

丸紅は飼料原料となる穀物の取り扱い強化のため、北米と南米で集荷網を整備(子会社の港湾設備、米オレゴン州)

 

丸紅と新希望六和は中国で配合飼料の合弁事業に着手しており、年内にも生産を始める。今回は中近東、アフリカ、東欧、南米などにも合弁事業を拡大する。

まずエジプトと南アフリカ共和国で事業を展開する計画で、13年度以降、順次合弁飼料工場を稼働させる。丸紅単独で原料穀物を受け入れる港湾設備の建設や買収も進める。15年度までに中東とアフリカを中心に7カ国程度で事業を展開する。

丸紅は国内の飼料事業子会社である日清丸紅飼料の生産ノウハウなどを合弁事業に生かす。工場建設や港湾整備も含め、丸紅として300億円規模を投資する方針だ。今後数年で同地域での穀物取扱量を年500万トンに引き上げる。

新希望六和は10年の飼料生産量が約1300万トンと中国で首位。丸紅との合弁事業では中国食糧備蓄管理総公司(シノグレイン)傘下の油脂会社と3社で飼料工場を十数カ所建設する。海外事業拡大へ穀物取引に強い丸紅と組む。

アフリカ、中東では穀物輸入の拡大が見込まれ、7割が飼料需要とされる。農林水産省によればアフリカの穀物輸入量は08年で5400万トン強と世界トップ。20年には8千万トンを上回る見込みだ。中東も20年に5700万トンになる見通しだ。

丸紅は今回の合弁事業を通じ、穀物取扱量を11年度見込みの2200万トンから15年度に3000万トンに引き上げ、世界大手穀物メジャーへの仲間入りを目指す。最大手米カーギルの取扱量は年3500万トン。米アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)や米ブンゲ、仏ルイ・ドレフュスが各3000万トンなどとなっている。

大手商社が穀物の販路開拓を急いでいる。世界的な穀物争奪戦が激化するなか、穀物メジャーなど世界大手と戦うには規模を追求し調達力を高める必要があるからだ。販路の拡大で取扱量を増やし、価格交渉を有利に進める狙いもある。

現時点で穀物消費量のトップはアジア。2008年で9億1千万トンを消費し、20年までにさらに2億トン増える見通し。中国を中心に食肉消費の増加で大豆やトウモロコシ需要が増加。米カーギルなど穀物メジャーが飼料工場などを整備し販路開拓を強化している。

各商社も取扱量の拡大に動く。三菱商事は伊藤ハム、食肉加工大手の米久、中国食糧最大手の中糧集団(COFCO)グループ会社と畜産・食肉加工販売で提携。飼料向け穀物の供給先を広げている。双日はベトナムの製粉会社に20%出資し、小麦の供給先を拡大している。

今後の注目は中東のほか人口増加と生活水準の向上で輸入が急増するアフリカ。成長率は中国を含むアジアの伸び率を大きく上回るうえ、メジャーとの競争が比較的少ない。丸紅だけでなく「日本の高い飼料製造技術を武器に、早期に足場を築ける」(大手商社幹部)とみる商社は多い。今後、中東、アフリカでの販路を開拓する動きが加速しそうだ。

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