"0119中国春節商戦 不安の芽 高級品が販売減 食品などは堅調 :日本経済新聞"

【上海=菅原透】中国の消費動向を占う春節(旧正月)商戦が22日から本格化する。足元では食品やアクセサリー、衣類、贈答品などの売り上げは底堅いものの、時計やスーツなど一部の高級ブランド品では販売が落ち込む例も出てきた。欧州債務危機や金融引き締めの影響で、富裕層の一部が買い控えているためだ。輸出や投資が鈍るなか、景気を下支えする消費の底力が試されている。

 
 

春節らしい飾り付けで客を呼び込む(17日、上海市)

今年は元日に相当する「初一」が23日。春節前に祝い金を支給する企業も多く、一般市民の消費意欲が高まる。小売業にとっても最大のかき入れ時で、昨年の春節期間中の小売売上高は前年同期比19%増の4045億元(約4兆9100億円)に達した。

春節の前哨戦である正月商戦も好調だった。上海市内の百貨店「八佰伴」では12月31日から3日間の「年越しセール」を実施。初日だけで18万人が来店し、高級腕時計などで品切れが相次いだという。春節には「衣類や腕時計、金など幅広い商品が前年実績を上回りそうだ」と売り上げ増加に自信を見せる。

昨年12月に中国で1千店舗目を開業した香港の大手ドラッグストア「ワトソンズ(屈臣氏)」では「若い層を中心に生活を楽しみたい人が増えており、健康や美容に関する商品の需要は旺盛」(運営会社のASワトソン中国のクリスチャン・ノットハフト最高経営責任者)だ。

もっとも、正月商戦が堅調だった分、「春節期間中の需要が年末年始に先食いされた可能性もある」(業界関係者)。今年の春節は例年よりも早く、小売業界でも12月から断続的にセールなどの販促イベントを展開している。北京の百貨店大手、王府井百貨集団では「1~2月の販売額が前年同期の8割程度になる恐れがある」と心配する。

物価上昇も庶民の財布のひもを固くする。広東省広州市中心部にあるバッグの販売店では、売れ筋が昨年の490元(約6千円)から270元程度に下がった。バッグ販売店の経営者は「主婦らが自由に使えるお金が減った」と話す。

高額商品でも一部で売れ行きが鈍り始めた。日系百貨店の湖南平和堂実業(湖南省)では「メンズ用のスーツや時計などの動きが鈍い」と指摘。アパレル業界の関係者は民営企業が集積する浙江省温州で「高級ブランドのスーツの売り上げが半減した」と明かす。

中国では輸出低迷や不動産市況の悪化を背景に、民営企業の業績が悪化。一部の富裕層の中には「今は高額消費をせずに、お金をためておこうと考える人も増えてきた」とスイスの金融大手UBSで中国の消費動向に詳しい梁裕昌氏は見る。

商務省は省エネ家電への買い替えを促す新たな購入補助金制度の導入を検討。今年の小売売上高で14%以上の前年比伸び率(昨年は17.1%)を達成できるようかじ取りを進める構えだ。

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