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【北京=高橋哲史】中国財政省は20日、2011年の国と地方を合わせた全国財政収入が前年比24.8%増の10兆3740億元(約126兆円)になったと発表した。企業所得税が急増し、初めて10兆元の大台を突破。財政赤字の国内総生産(GDP)比は1%強にとどまった。先進国が軒並み債務問題に苦しむなか、中国は財政の健全性を維持。必要に応じて歳出を増やして景気を下支えする考えだ。 全国財政収入は税収と国有資産の売却など税外収入の合計。税収が全体の9割近くを占める。 税収のうち、日本の法人税にあたる企業所得税が30.5%増と好調だった。11年前半は企業業績の伸びが続き、税収の大幅な増加につながった。ただ年後半に景気減速が鮮明になり、財政省は「10~12月期に企業所得税の伸びは大幅に鈍化した」と説明している。 賃上げなどで個人の収入が全般に拡大していることを映し、個人所得税は25.2%増となった。中国政府は昨年9月から同税の課税最低限を従来の月2千元から3500元に引き上げ、所得が少ない人の税負担を減らす方向に動いている。 一方、11年の全国財政支出は21.2%増の10兆8930億元だった。不動産価格の高騰に対応して低所得者向けの住宅を1000万戸建設する計画を掲げ、住居関連の支出が60.8%増えた。医療関連が32.5%増となるなど、社会保障に絡む支出も膨らんだ。 歳入の伸びが歳出を上回った結果、財政赤字は10年より約1600億元少ない5190億元となった。政府が当初予算で見込んだ9千億元を下回り、GDP比は10年の1.7%から1.1%に低下。「2%程度」としていた政府目標の半分に抑えられた。 日米欧の先進国では08年の米金融危機(リーマン・ショック)後、巨額の財政出動によって景気を下支えした影響で財政赤字のGDP比が上昇している。11年度予算で約9%の日本、10%を超える米国、7%強の英国などいずれも中国より高い。 中国共産党と政府が昨年末に開いた中央経済工作会議は、今年も「積極財政」を続けることを決めた。11年10~12月期の実質GDP成長率は4四半期連続で鈍化し、中国経済は減速傾向を強めている。 中国政府は景気が下振れしそうになった場合、財政支出を増やして対応する余裕がある。 ただ、08年に打ち出したような巨額の公共投資で成長率を押し上げる政策は取らないとみられる。 インフレや不動産バブルを再び引き起こしかねないためで、共産党・政府は安定成長の実現に向け微妙なかじ取りを迫られる。