"0216タイ・カンボジア紛争、安保理は介入せず ASEAN、22日に緊急外相会議 :日本経済新聞"

【バンコク=高橋徹】タイとカンボジアの国境紛争で、国連安全保障理事会は14日、両国に「恒久的な停戦」を求めつつ、カンボジアが要請した停戦監視団などの派遣は「2国間や地域の問題」として退けた。これを受けて東南アジア諸国連合(ASEAN)は、22日にジャカルタで異例の緊急外相会議を開き、対話による事態収拾を支援する。ただタイ軍が15日に新たな交戦が発生したと表明するなど、緊迫した情勢がなお続く。

14日、安保理会合後に会見するカンボジアのホー・ナムホン副首相兼外相=新華社提供・AP



14日、安保理会合後に会見するタイのガシット外相=新華社提供・AP

タイ軍によると15日午前5時(日本時間同7時)ごろ、両軍がにらみ合う国境付近で戦闘があり、少なくともタイ軍兵士1人が負傷した。一方、カンボジア軍は、タイ軍が威嚇目的で投げた手りゅう弾がタイ領内で爆発したもようと説明。戦闘ではないとしている。

両国軍は4日から7日まで4日連続で交戦。ロイター通信によると民間人を含め少なくとも11人が死亡、多数が負傷した。両国はともに「相手側が先に攻撃を仕掛けた」と主張している。

14日の安保理会合にはタイのガシット外相とカンボジアのホー・ナムホン副首相兼外相が出席し、それぞれの立場を説明。安保理は「深刻な懸念」を表明し、「最大限の自制を求める」としたものの、介入は避ける姿勢を明確にした。「解決は2国間協議で」というタイ側の主張が受け入れられた格好だが、タイ側の打診で当初予定されていた両国の外相会談は、カンボジア側が拒否した。

事態収拾の次の舞台は、ASEAN議長国インドネシアでの外相会議へと移る。ASEANは内政不干渉が原則。「2国間紛争の調停に乗り出すのも前例がない」(外交筋)とされるが、今回、インドネシアは精力的に仲裁役を買って出た。

マルティ外相が7日にカンボジア、8日にタイを訪問。「国境紛争は2国間で解決すべき問題だが、ASEANと加盟国は補完的に手助けできる」と双方の顔を立てつつ、安保理や外相会議の場をお膳立てした。背景には2015年の経済共同体発足を控え、内部での紛争を避けたい事情がある。

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