"0517世界の有力大、いざ中国・インド 富裕層に照準、留学生を確保 人材争奪で摩擦も懸念"

米ハーバード大のビジネス・スクールインド校開校式での講演風景(3月9日)

 経済成長が続く中国、インドに世界の大学が相次ぎ進出している。自国政府からの助成や奨学金が減り大学経営が総じて悪化するなか、正規の学費を全額払える富裕層、中間層がこの2国で拡大しているためだ。優秀な頭脳の取り込みや斬新な共同研究のほか、授業料収入増などの効果を期待し各大学が中印に拠点を新設。中印側は海外留学が自国からの頭脳流出につながることに警戒感も募らせている。

 この1カ月間で少なくとも世界の5大学が中国への拠点新設を発表した。オーストラリアのモナシュ大は江蘇省蘇州市に、英クイーンズ大は遼寧省瀋陽市にそれぞれ定員1000人以上の新キャンパスを計画する。

北京大内に拠点

 3月中旬に中国7都市を巡回した「海外大学紹介フェア」では米、英、フランスなどの400大学が自校をPR。調査会社の胡潤百富によると中国では個人資産が600万元(約7600万円)を超える富裕層が270万人に上り、その85%が子弟の海外留学を希望する。優秀で資金源にもなる学生を巡り各大学の競争が熱を帯びる。

 並み居る大学の中で学生からひときわ注目されているのが米西海岸の名門スタンフォード大。北京大のキャンパス内に3月開いた「スタンフォードセンター」は本校から出張した教授や留学中のスタンフォード大の学生らの拠点だが、北京大の学生も気軽に入れる。

 総工費7億円の建物の壁面に描かれるのはカリフォルニアのキャンパス風景。中には学生がくつろげるカフェテリアなどがあり、留学すれば待っている学生生活を連想させる。

 「随分と授業のスタイルが違いますね」。スタンフォード大のゴードン・チャン教授の授業を体験した北京大3年の女子学生は終了後、完璧な英語で教授に話しかけた。北京大では大講堂での授業が多いが、チャン教授は少人数が議論に参加する「ソクラテス型」の授業を採用。チャン教授は「我が校に留学したいと感じた学生は多いだろう。ぜひ推薦書を書きたい」と手応えを感じていた。

 米ハーバード大は3月、インド最大の商都ムンバイにハーバード・ビジネス・スクール(HBS)インド校を開設した。

 「数学と物理ではインド人のレベルは別格。インド工科大(IIT)を1点差で落ちたインド人学生がマサチューセッツ工科大(MIT)に行く時代だ」。現地で学生のスカウトにあたる日本の大学関係者がささやく。

 米国際教育研究所(IIE)によると留学生が米経済に与える経済効果は年間200億ドル(約1兆6千億円)。2008年の金融危機以降、大学への補助金や研究費助成が減額されるなか、留学生は収益の新たな柱になりつつある。

 IIEによると、10年秋に米大学に入学した中国人は15万7558人、インド人は10万3895人で、留学生の3人に1人超が中印出身者だ。

「グローバルに」

 大学側は海外の拠点を留学生確保だけでなく、自校の学生の育成にも生かす。「宗教も文化も違う人と激論を交わし、自分の既成概念を壊す。そんなグローバルな人材育成が必要だ」と語るのは来年開校する米ニューヨーク大上海校の副学長兼最高経営責任者(CEO)に就任するジェフリー・リーマン氏。

 初年度の学生は300人。「入学試験は極めて難しくしようと考えている」という。本校の学生を1~2学期単位で派遣し、共同研究の拠点にする狙いもあるからだ。

 ただ、留学生を送り出す中印側にとっては頭脳流出の危険とも隣り合わせ。インドのアザド保健相は4月、先端医療を学びに米国に留学予定の医学生に対し、研究終了後の帰国を確約する誓約書に署名させる方針を示した。過去3年間で3000人が海外留学したまま帰国していないという。

 新興国からの優秀な頭脳を引き留める先進国と、帰国させたい新興国。増える留学生は新たな摩擦も引き起こしている。

(北京=森安健、ニューデリー=岩城聡)

日本の大学も優秀な留学生を呼び込もうと海外に多くの活動拠点を設けている。

 文部科学省によると、2009年10月時点で留学生の募集活動を行う事務所を設けている大学は61校で、計166カ所に上っている。

 最も多いのは中国で49カ所。北京には東京大や一橋大、早稲田大など有力大が軒並み事務所を構える。日本からも多数の学生が留学しているため、現地での生活を支援する狙いもある。

 一方、インドは少ない。09年時点では京都大がムンバイに留学生募集も兼ねた共同研究拠点を置くだけだった。その後に東京大と立命館大が文科省の国際化拠点整備事業(グローバル30)でニューデリーなどに事務所を設けており、本格的に活動を始めた。

 ほかに拠点数が多いのはベトナム(17カ所)やタイ(10カ所)などで、東南アジアが目立つ。欧米は比較的少なく、米国は6カ所にとどまる。

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"0405高校生、留学に消極的 「したい」46% 「面倒」「自信ない」 財団法人調査、米中韓を下回る :日本経済新聞"

 将来も含めて海外留学したいと考えている日本の高校生は46.1%で、日米中韓4カ国で最も低かったことが財団法人「日本青少年研究所」(東京)などが実施した高校生の意識調査で4日、分かった。留学したくない理由について「面倒だから」という回答が4割近くに上るなど、内向き志向が目立った。

 

 調査は昨年6~11月、4カ国の高校生計約8千人を対象に実施した。

 「留学したい」と答えたのは韓国82.2%、中国58.2%、米国52.9%、日本46.1%。その理由(複数回答)で日本は「語学力を身に付けたい」が79.9%で最も多く、「視野を広げたい」が79.5%。一方、「その国の進んだ知識を獲得したい」は28.0%にとどまり、5~6割に達した米国や中国と差が開いた。

 「留学したくない」とした生徒に理由を複数回答で聞いたところ、日本は「自分の国が暮らしやすい」(53.2%)、「言葉の壁がある」(48.1%)、「外国で一人で生活する自信がない」(42.7%)の順。「母国の教育がより自分に合う」は4.5%だった。

 「経済的に難しい」は日本が19.5%に対し、米国が46.5%、中国が43.3%、韓国が43.1%。一方、「面倒だから」は日本が38.5%で最も多く、米国が15.7%、中国が33.0%、韓国が31.7%となり、日本の高校生は経済的に恵まれていながら意欲が乏しい実態が浮かんだ。

 希望の留学先は日中韓では米国がトップで、英国が2位に。米国では日本がトップで、英国、スペインが続いた。

 文部科学省によると、2009年に海外留学した日本人は5万9923人で5年連続で減少した。グローバル化に対応して日本人学生の送り出しを増やそうと、東京大では入学時期を秋に移行させることを検討している。

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"0121海外留学6万人割れ 09年5万9923人、5年連続減 「不況や内向き志向が影響」 :日本経済新聞"

2009年に海外留学した日本人は前年より6910人少ない5万9923人だったことが20日、文部科学省の集計で分かった。5年連続の減少で、ピークの04年と比べると約2万3千人(28%)減っている。文科省は「長引く不況と、就職活動の早期化から日本の学生の内向き志向が続いている」と分析している。

 

一方、日本学生支援機構は、日本の大学などに11年5月時点で在籍する外国人留学生が前年より3699人減の13万8075人と発表した。5年ぶりに減少に転じており、東日本大震災の影響とみられる。

日本人の留学先で最多は米国の2万4842人。次いで中国1万5409人、英国3871人、オーストラリア2701人など。

日本に来ている外国人留学生の出身国・地域別では中国の8万7533人がトップで、韓国1万7640人、台湾4571人と続いた。アジアが占める割合は前年比1.1ポイント増の93.5%。

外国人留学生が多い都道府県は東京の4万3188人、福岡1万635人、大阪1万325人、愛知6706人の順。

受け入れ大学別では、早稲田大が3393人で最多。日本経済大3378人、東大2877人と続いた。

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"0120学生寮ビジネス、割安前面に拡大 仕送り大幅減 共立メンテ、4年で40棟 伊藤忠系は留学生向け :日本経済新聞"

不動産管理各社が学生寮の運営・管理を拡大する。寮管理で国内最大手の共立メンテナンスは今後4年で全国に約40棟を新設。伊藤忠商事子会社は3年後に棟数を倍増する。景気低迷で学生への仕送り金額が減っている。食事や生活設備などが付き、ワンルームマンションに比べ生活費を抑えられる学生寮が人気を集めていることに対応する。

 
 

共立メンテナンスは朝夕食・家具付き学生寮の運営・管理を拡大する(東京都足立区)

共立メンテが手掛ける寮は朝夕食・家具付きで家賃は都内で月額8、9万円程度。ワンルームマンションに比べ約2割生活費を抑えられるという。2015年度までに学生寮の部屋数を1800室増やし、2万500室にする。寮の数は450棟体制とする。

住み込みの寮スタッフを毎年60~80人採用し、「安全面も学生の両親にアピールする」(同社)狙いだ。学生寮と社員寮を合わせた事業売上高を16年3月期に11年3月期比23%増の475億円に引き上げ、国内シェア5割を目指す。

伊藤忠子会社の伊藤忠アーバンコミュニティ(東京・中央)は14年度までに運営寮を11年度比で倍増、25棟にする。慶応大学など関東の60校と提携して学生を確保する。留学生向けの寮も今秋都内に3棟オープンして大学の国際化に対応する。

都内を中心に展開する毎日コムネットはタクシー会社の駐車場跡への新設や社員寮の改修で、学生向けの寮やマンションを増やす。企業の余剰不動産を活用。居住者限定の就活セミナーなどのサービスも充実させる。

大学側も学生獲得のために、学生寮の充実を急いでいる。学生課などが不動産管理会社にキャンパス近くに寮の開業を求める動きがあるという。

直営寮を拡充する大学もある。日本大学は14年度をメドに千葉県松戸市など首都圏4カ所に合計約260戸分の寮を建設する。早稲田大学は日本人学生と留学生が共同生活する定員900人規模の学生寮を14年春に新設する。

全国大学生活協同組合連合会の調べによると、親元から離れて生活する大学生の平均生活費は10年に月12万1490円で01年に比べ11%減った。特に仕送りは01年比28%減の6万9590円。学生寮は生活費を抑えられる上に、「共同生活で得られた協調性が就職活動に有利」(毎日コムネット)と考え入居する学生もいるという。

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"0118東大、秋入学に全面移行 懇談会が早期実現を提言 入試は春、卒業まで4.5~5年 国・企業に協力要請 :日本経済新聞"

入学時期の見直しを検討していた東京大学(浜田純一学長)の懇談会が、学部の春入学を廃止し、国際標準である秋入学への全面移行を求める中間報告をまとめたことが17日わかった。入学試験は現行通り春に行う。国際化の推進と、入学前の学生に多様な経験を積ませることなどが狙い。中間報告は早期実現を求めており、東大は学内論議を活発化させ最終方針を決める。(秋入学総合面「きょうのことば」参照)=関連記事総合面に

 

中間報告(まとめ)が、他大学の入学時期や企業の採用活動、国家試験の実施時期などの論議に一石を投じるのは確実で、既に一部大学に追随の動きがある。懇談会は「検討と行動に『待ったなし』のスピード感が求められている」としているが、東大内には異論もあり、学内の合意形成に向け執行部の指導力が問われる。合意が得られた場合、実現は数年後になりそうだ。

懇談会は、現行の4月入学を「国際的に特異な状況」と分析。欧米の主要大学と同じ9月か10月にすれば、留学生の送り出し・受け入れをはじめとして学生・教員の国際流動性が高まるとした。4月入学で春学期(4~9月)が夏休みによって分断されている弊害を解消できるとも指摘した。

また、高校卒業から入学までの半年間(ギャップターム)に、多様な体験活動を積む「寄り道」を設けることで、受験競争で染みついた偏差値重視の価値観をリセットし、大学で学ぶ目的意識を明確化できるとした。

大学院は、春入学と秋入学の“複線化”が進んでいることや、他大学からの受け入れも考慮し、全面移行には慎重な検討が必要とした。

一方で(1)入学が半年遅れ、企業や官庁の春季一括採用が続くと、高校卒業から就職までの期間が5年に延び学生の負担が増す(2)企業の採用や公的資格試験などは4月入学が前提(3)休業期間が変わり学期中に入試を行うため大学の負担が大きい――などのデメリットも指摘。経済支援や、試験・採用の時期見直しなど社会ぐるみの支援を国や産業界に求めている。

成績優秀者の早期卒業制度の導入や修業年限の見直し、学部生の3~5割に海外留学や海外体験をさせるなど、秋入学に合わせた教育改革推進の必要性を強調。ギャップターム中の体験活動支援のため、秋入学を導入する他大学とのコンソーシアム(共同事業体)形成や産業界と協力した非営利組織(NPO)「体験活動推進機構」(仮称)の創設も提言した。

懇談会は、浜田学長の意向を受けて昨年4月に発足した。
▼ギャップターム 入学時期の秋への移行に伴い、春の入試から秋の入学までの間などに生じる期間。学生はボランティア活動や企業インターンシップ(就業体験)、海外留学などに充てられる。英国などでは大学入学前の学生らが同様の趣旨で「ギャップイヤー」を約1年取る慣行がある。

東京大学の「入学時期の在り方に関する懇談会」は中間報告(まとめ)で、秋入学への全面移行を提言した。国際的で高い課題解決能力を備えた人材を育てる狙いで、偏差値重視の価値観から脱却した新たな教育システムの構築も提唱する。学内での意思統一に加え、他大学が歩調を合わせるかどうかが焦点になる。(1面参照

文部科学省によると、世界215カ国の7割は秋入学。4月入学はたった7カ国で、中間報告は時期のずれが「学生や教員の国際交流を制約している」と強調。実際に東大の学部段階の外国人留学生は昨年5月時点で全学部生の1.9%にあたる276人、留学中の日本人学生は同0.4%の53人にとどまる。

国際性は大学の評価に直結する。世界の大学ランキングで東大は30位。アジアでは首位だが、留学生比率などの項目を重く見る傾向が強まっており、今後は順位を落とす可能性もある。

世界の有力大は優秀な学生や教員の獲得にしのぎを削っている。中間報告は「東大が実力と存在感を維持できるか強い危機感を禁じ得ない」とし、今のままでは大学間の競争を乗り切れないとの認識を鮮明にした。

現在の高校生は受験のための勉強が中心で受け身の学習姿勢が目立ち、大学で求められる「自ら課題を発見する学び方」が身に付いていないとも指摘。高校卒業から入学までのギャップタームに「学ぶ姿勢を転換させるインパクトある体験が必要」とした。秋入学移行は「よりグローバルでタフな人材」を育成する切り札となる。

ハードルは高い。まずは各学部の支持を得ることが欠かせない。中間報告は「各部局で建設的な議論が交わされ、適切な判断が主体的に下されることを強く期待する」とくぎを刺した。

在学期間が延び、就職や医師国家試験、国家公務員試験などでの不利が解消されなければ、高校生の東大離れが進む可能性もある。打開策は社会全体を巻き込んだ議論を起こし、資金支援や制度改革を進めることだ。

中間報告では社会の理解を得るため、偏差値重視から多様な体験や個性を尊重する教育システムに転換することを提唱する。新たな価値観では「寄り道」のギャップタームは多様性を高める機会と評価される。受験競争の頂点に立つ東大が率先して入試や教育改革に取り組むことで社会全体の改革を促す。

一部の有力大では東大に共鳴し、秋入学の検討組織を設ける動きが出ている。中間報告が指摘する通り、検討に時間をかけている余裕はない。

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"0110留学生、「便利な生活環境」に魅力感じる :日本経済新聞"

海外で日本の魅力を尋ねられ、うまく答えられなかった人も多いはず。日本の強みはどこにあるのか。日本の大学・大学院に在籍中の外国人留学生100人と日本の学生1900人に聞いてみた。

 

外国人留学生に「日本にあってあなたの国にはないもの」を聞いたところ、最も多かったのは「便利な生活環境」の34%。次いで「高度な科学技術」の19%だった。時間通り来る電車やきれいなトイレ。日本人は普段あまり意識しないが、海外から来て住んでみると実感するようだ。

一方、日本の学生に聞いた「未来に向け発揮できる日本の強み」では「技術力・もの作り」(67%)がトップ。2位が「文化などのソフトパワー」(29%)だった。

生活や文化などのソフト面と、技術力の高さ。国内外の学生たちが日本の強みととらえているこの2つはこの先もきっと武器になる

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"0108ODA・留学生、右肩下がり :日本経済新聞"

日本からの政府開発援助(ODA)や留学生の推移をみる限り、「内向き」という印象はぬぐえない。

 

ODAは一般会計の当初予算ベースで1997年度の1兆1687億円をピークに右肩下がりを続けている。2012年度の政府予算案では5612億円に落ち込んだ。

ODAには政府から発展途上国へ直接支援する2国間援助と国連など国際機関への資金拠出がある。有償資金協力(円借款)、技術協力を含む2国間援助の多くを国際協力機構(JICA)が担う。

海外の大学など高等教育機関に在籍する日本人留学生の数も04年の約8万3000人を最高に減っている。経済協力開発機構(OECD)などの調査をまとめた文部科学省の資料は08年の6万6833人が最新だが、その後も減少傾向に歯止めがかからないとみられている。

一方、日本の高等教育機関に在籍する外国人留学生数(各年5月現在)は10年が14万1774人で、00年の2倍以上に膨れた。

政府は教育研究機関の国際競争力を高めるため20年をメドに外国人留学生数を30万人に増やす目標をたてている。海外に留学生獲得のための拠点を設ける大学も目立ってきた。だが、東日本大震災で帰国者が出るなど、今後約10年で倍増できるかどうかは不透明だ。

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"0108アジア一緒に成長を 日本で学ぶ留学生紙上座談会 日本人、危機感持って :日本経済新聞"

世界のあしたを担う「C世代」。「C」にはさまざまな意味と潜在的な力が込められている。将来のカギを握るアジアのC世代は、この先の世界をどう思い描いているのだろう。(1面参照

 

留学生が躍進するアジアや日本への思いを語った

 
 

取材班は日本で学ぶアジアの留学生の生の声を集め、紙上座談会の形式でまとめてみた。以下――。

■経済成長

――アジアの発展はこれからも続くだろうか。

ヌルー(マレーシア) アジアの将来は明るい。人口も多いし、経済も伸びている。日本は経済ではトップレベルなのだから、輸入をもっと増やしてアジアの製品を買うなど、アジアと一緒に成長していくことを考えるべきだ。

ディミトリ(スリランカ) アジアは今後、世界最大のマーケットになっていく。ものづくりの拠点は中国、インド、東南アジアだ。日本はより品質の高い製品をつくるしか道はない。

――なにか障害は。

(台湾) 台湾経済について言えば、現実の問題として中国を抜きにして語れなくなっている。一度も中国には行ったことはないが、経済圏としては一体になりつつある。むしろ、一体化しなかった場合の展望は描けない。

チャンタナソート(タイ) 工業の発展だけを考えるのはどうかと思う。各国が経済を伸ばそうと競争に明け暮れれば、地球温暖化などの環境問題が忘れ去られる。破壊された環境を元に戻すのはとても難しい。経済の持続性に関し、人々の意識をもっと高めないといけない。

■貿易連携

――アジアはこれから1つの市場へと向かう?

(中国) 「アジア人によるアジア」に強い思い入れがある。アジアは世界の成長エンジン。中国と日韓印はもっと関係を深めるべきだ。米国との関係が難しいが、理想的な未来像は韓国と日本が米国とやや距離を置き、アジアに軸を定めることだ。

(韓国) アジア主義もいいが、米国との関係をないがしろにすると、韓国や日本の安全保障は成り立たない。経済の相互依存は強まるとは思うが、必ずしも一体化を意味しない。欧州連合(EU)が教科書とされるが、欧州統合は宗教の共通性が大きかったと思う。アジアは前提が違う。必要に応じ、各国間で自由貿易協定(FTA)などを進めていけばいい。

――アジアには欧州型の経済統合は適さない?

ゴー(フィリピン) アジア共同体は考え方としては重要だと思う。ただし実際に1つになる姿は想像しにくい。まずは貿易の活性化を進めていくことから始めるべきだ。あまり自由化を進めすぎると、貧しい国に人材がいなくなる怖さも感じる。

アジアは米欧に比べて国家間の関係が複雑だ。経済の連携を強めていくと、いつかこの点は問題になるかもしれないが、いまはむしろ、多様性をアジアの武器ととらえたほうがいい。欧米は同一性を前面に打ち出すが、欧州危機は域内の多様性を守れなかった結果なのではないか。

チャンタナソート アジアの国々にはそれぞれ特徴があり、多様性は大事だ。特徴を守りつつ、そのうえで互いに協力し合い、さまざまな経済取引や文化を調和させていく。そんな努力が欠かせない。

■日本人

――日本人、とくに若い世代に感じることは。

ヌルー 日本は快適なので、わざわざ外に出ていこうと思わないのではないか。外への関心も薄い気がする。

ゴー 日本の友人から「日本はダメ。ほかの国に行くしかない」と聞き、怒りを覚えた。もっと貧しい国はどうなるのか。文句を言うなら自分が何かしたらどうか、と。

――どうすればいい。

公私ともに礼儀正しいが、もっと「幸福感」について考えたほうがいい。まだ労働時間も長い。欧州の人々よりも、抑圧されているのではないか。

いや、むしろ危機意識が足りない。人口減少、財政悪化、年金問題。すべて改革しなければいけないのに、政治家を含め、誰も責任をとろうとしない。

ディミトリ 足りないものはないくらい成長したので、今後はサービスや技術、インフラ管理が大切になる。農業を見直して地産地消を進めれば、地方でも高齢者が働き続けられるし、若い人も戻ってくるだろう。

(敬称略)

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"0105日本への留学生、「日本元気がない」半数 :日本経済新聞"

日本の魅力にひき付けられ、日本行きを選んだ外国人留学生は、ある日気づいた。日本には何か大切なものが足りなくない?

取材班は日本の大学・大学院に留学中の外国人学生100人に「あなたの国にあって日本にはないもの」を聞いた。「若者のハングリーさ」が全体の26%、「社会の活力・バイタリティー」が23%を占めた。およそ半数の留学生は「日本は元気がない」と感じていることになる。日本人の同級生は内向き志向で、話をしても刺激を受けない――。こんなふうに思っている外国人留学生は意外と多いだろう。

日本を留学先に選んだ最大の理由は「勉強や研究の環境」(40%)が整っており、「文化への興味」(35%)を満たすコンテンツがあるから。ひと昔前なら多かったであろう「経済大国だから」との答えはわずか5%。これも元気がない日本の断面のひとつか。

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"0104留学生の声日本での就職や研究を希望する学生は50%"

国境のハードル低下は働き手と企業に変革を迫る。



日本経済新聞社が日本の大学・大学院に留学中の外国人学生100人を対象にアンケートしたところ、卒業後の進路として母国ではなく日本での就職や研究を希望する学生は50%に達した。ただ、日本にとどまる理由は、将来母国で就職する際に有利になるから(34%)が最多。就職先に求めるもので最も多かったのはグローバルに活躍できること(40%で、能力を蓄えた上で日本を出て世界を目指す姿勢がうかがえる。

かたや日本企業は外国人の囲い込みに動く。調査会社のインテリジェンスHITO総合研究所の調べでは従業員数5000人以上の企業で「既に外国人を新卒採用している」との回答は79%。採用を検討したいとの回答も合わせると86%に達し、外国人を巡る人材獲得競争が日本で激化する可能性もある。

1面参照

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"0104(3)「クロスボーダー」歓迎 可能性求め外へ内へ"

「5カ国語を使えるのが私の強みです」(マレーシア人女性、22)

「中古書店で仕入れた本をネット販売し、利益を稼ぐモデルを構築しました」(中国人男性、24)

留学生の逆求人



人事担当者を前に自己PRする中国人留学生(昨年12月、東京・秋葉原)

昨年12月初旬、東京・秋葉原のビルの一室。居並ぶ日本企業の人事担当者らを前に、外国人留学生約40人が代わる代わる流ちょうな日本語で自分を売り込んだ。「逆求人フェア」の光景だ。

「最先端のシステムを持つ日本の物流企業で働いてみたい」(韓国人男性、30)、「ロボット工学の最前線の日本に魅力を感じる」(コロンビア人男性、28)。志望理由はさまざま。ただ、国を離れてチャンスをつかもうという熱意は共通だ。

11月、米ボストン。日・英バイリンガルの日本人留学生を主な対象にした就職フォーラムで慶応大3年の金森ハーナ(20)は驚いた。中国人や韓国人が相当数交じっていたからだ。金森は思った。「積極性は日本人以上。ハングリー精神ではとてもかなわない」

低成長にあえぐ日本だが、成熟した技術力や整った労働環境など、海外の人材をひき付ける蓄えはかなりある。

「魅力は高速通信網などのインフラと安全で快適な生活環境」。音声認識ソフトの開発会社インフェレット・ジャパンを起業した英国人のウィッタッカー・エドワード(37)は話す。「英語の重要性が増し、教材メーカー向けなどに大きな需要がある」と商機をにらむ。

国内での就職戦線に外国人の参戦が目立ち、IT(情報技術)分野などで起業の機会を探る動きが珍しくなくなってきた。「内なる外との戦い」は、すでにある現実だ。とはいえ、低くなる国境は試練ばかりとは限らない。

三宅紘一郎(28)は中国の上海で日本酒の販売会社を経営する。学生時代に旅行中、中国で日本酒人気が高まっている様子を目の当たりにした。広島県の実家は酒造業。ただ、国内の日本酒販売量は10年間で4割減るなど市場は縮む。より大きなチャンスを求めて中国に飛び出した。

舞台はアジアに

現在は日本食レストランなど約20店に出荷し、インドやベトナムにも進出を計画する。「アジア各国で日本酒の市場は大きくなるはず。市場が縮む日本ではなく、僕はこちらを主戦場にする」と言う三宅は、越境(Cross Border)をいとわないC世代。

ベトナムに展開する日本のベンチャーキャピタル(VC)、サイバーエージェント・ベンチャーズ。志願してハノイに飛んだ中山亮太郎(29)は事務所代表としてベトナム人経営者らを相手に投資機会をうかがう。同国ではインターネット利用者が5年で8倍に増えた。「スマートフォンの普及など、ベトナムのIT業界に次々押し寄せるビジネスチャンスを全部つかまえたい」と声を弾ます。

国境を感じない世代はチャンスを求めて移動する現代のノマド(遊牧民)だ。グローバルな舞台の主役を担う。

ところで日本は20年後、彼らをひき付ける青い牧草をたたえているだろうか。留学先の日本にとどまり大手電機メーカーで働くベネズエラ人のオスカル・ロメロ(28)は言う。「いずれ海外に出たい。日本は安全で楽しいが、衰退が目立つ。そろそろ飽きてきたところだし」

(敬称略)

法務省によると、日本の高度な専門分野で働く外国人数は2010年に1997年の2.3倍になった。国際移住機関(IOM)は50年の世界の移民数を4億500万人と10年の約2倍と予想している。

現在の日本板硝子の社長は米国人で、最高財務責任者(CFO)は英国人、人事部長はブラジル人だ。英国企業を買収した同社特有の状況と思われがちだが、20年後は日本企業でも当たり前の光景かもしれない。

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"1116学生寮で育む国際性・協調性 留学生と生活・5人で一部屋 大学、最新設備をPR"

大学が学生寮を相次ぎ新設している。マンション顔負けの設備も備え、「古い、汚い、上下関係が厳しい」という従来イメージは様変わり。外国人留学生と一緒に暮らして国際感覚や語学力を磨いたり、あえて多人数で生活させて協調性を身に付けさせたり、「学びの場」としてアピールして学生確保に役立てようとしている。



日本人学生のほか、様々な国籍の外国人留学生が一緒に暮らす中央大の国際寮(東京都日野市)

中央大は3月、初の一般学生向けの寮を東京都日野市に設けた。留学生との共同生活が売りの「国際寮」で、外国人と日本人の3人1組で各部屋に暮らす。個室もあるが、キッチンやトイレは共有。欧米とアジア10カ国の留学生を含めた52人が入居する。

国際交流センターのスティーヴン・ヘッセ所長は「語学力不足や海外生活への不安から留学をためらう日本の学生が自信を付け、どんどん世界に出ていくようになれば」と期待する。留学生の生活支援や日本人との交流も強化でき、キャンパスの国際化につながるという。

英国と中国の留学生と暮らす2年の重信龍之助さん(20)は「食事なしで寮費は月6万円だが、国際感覚が身に付き語学力も磨けるのだから高くはない」と満足げだ。

お茶の水女子大が4月に開設した寮は「共に住まい、共に成長する」を掲げ、5人でルームシェアする方式を導入した。各部屋は5つの寝室(7~9平方メートル)と居間で構成。テレビなどは居間に置き、皆がなるべく一緒に過ごすよう工夫した。

学内には通常の個室にすべきだという意見もあったが、ルームシェアにこだわった。耳塚寛明副学長は「集団生活で生じる様々な摩擦を自分たちで乗り越える力を身に付けてほしい」と教育的機能を重視したと話す。

来年3月完成の関東学院大の寮も入居者の交流を促すため、共用の大浴場を設ける。“裸の付き合い”で打ち解けてもらう狙いだ。4階建ての各階には約15人が過ごせる交流スペースもつくる。

拓殖大は来春完成する寮にサウナや運動器具を置いたフィットネスルーム、売店を設ける。400人分の部屋にはエアコンやユニットバスも完備。至れり尽くせりの充実した設備だが、寮費は2食付きで月額5万8千円と格安だ。

東洋大は昨年4月完成の寮に入居者の安否確認システムを導入した。ICチップ内蔵の鍵で入退館を記録。学生が18時間以上外出せず、連絡も付かないと親に連絡する。担当者は「過保護かもしれないが、病気で寝込んだ場合などを心配する親から要望があるので」と苦笑する。

大学が寮の整備に力を入れる背景には、少子化に伴う学生の獲得競争激化がある。特に首都圏の大学では地方の受験生が家賃の高さを気にして進学を断念しないよう、割安に暮らせる寮の新増設を進めている。

芝浦工業大は2013年春、初の寮をさいたま市の大宮キャンパス敷地内に造る。留学生も含めて約130人が入居でき、寮費は食事なしで月3万5千円だ。「首都圏の家賃の高さを心配する声が地方の高校生から上がっていた。寮をPRし、地方出身者を呼び込みたい」(同大)という。

慶応大も来年2月、横浜市内に新たな寮を設ける。一昨年に寮を新設したばかりだが、近年は学生の約7割を首都圏出身者が占めるようになっているため、地方出身者の入学をさらに後押しする。賃料の最多価格帯は食事込みで月8万8千円の予定だ。

工業系大学は女子学生獲得を狙う。北海道室蘭市の室蘭工業大は10月、初の女子寮を開いた。遠隔地の女子学生が安心して通える環境を整え、1割弱の女子比率を高めたい考え。おしゃれ心に配慮して共用の大きな鏡付きのパウダールーム(化粧室)を設けるなど工夫を凝らす。電気通信大も同様の狙いで初の女子寮を昨年5月に設けた。

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"1001「90後」は中国を変えるか"

「学生の留学意欲が低下しているように思える」。中国・沿海都市部の大学教授の間でこんな声が出ている。上海市の東華大学外国語学院の張厚泉教授は言う。「子供のころから海外旅行を経験している学生が多い。こうした学生は苦労してまで留学に行く必要がないと考えている」

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留学に出ても一昔前の「苦学生」のイメージはない。両親や親類が学費はもちろん、住居費や生活費を負担。場合によっては祖父母や父母が同行して、生活の面倒を見ることもある。

「90後(ジューリンホウ)」。今年12歳から21歳の1990年代に生まれた若者を中国ではこう呼ぶ。ちょうど中学、高校、大学に通う世代だ。

多くが一人っ子。経済的に豊かさを増した両親や祖父母からの愛情を一身に受けて育った。苦労を嫌い、未知の世界に飛び込むことを敬遠する。そんな内向き志向は今の日本の若者と共通する面もある。

だが、それだけで90後をとらえるとこの世代の本質を見誤る。上海市内で広告代理店を経営し、若者と接する機会の多い陳果祁氏は「これまでの世代と違って、90後は個性を大事にする」と指摘する。

90後より1世代前の80年代生まれの「80後」。こちらの一人っ子世代は中国が改革開放政策にカジを切り、経済成長が軌道に乗った時代に学生生活を送った。消費志向は日本のバブル期そのものだ。「家も車もブランド品も、みんなが買うから自分も買うという傾向が強い」と陳氏は言う。

90後はどうか。上海市内の大学2年生の李娟娟さんは言い切った。「グッチ? ブランド品には興味はない」。子供のころから豊かな生活に慣れているから、見えを張ることに関心はない。李さんが今、夢中なのは日本のファッション。自分らしさを楽しむためにお金を使う。

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若者向けアパレル店を上海に出店したクロスカンパニー(岡山市)の石川康晴社長は中国の服飾学校を訪れて驚いた。日本人を超えるファッションセンスを持つ学生が少なくなかったからだ。「中国の若者の感性はこれからますます豊かになる」。石川社長は個性が花開く時代の到来を予感する。

個性の多様化を後押しするのがインターネットだ。今や5億人がネットでつながる時代。海外へのアクセス制限はあるが、共産党が管理する新聞やテレビなど旧来メディアでは知り得なかった情報が容易に手に入る。

上海の大学2年生の伊心さんのお気に入りは日本のアイドルグループ「嵐」。「毎日2~3時間はネットで最新情報をチェックしている」と屈託なく笑う。

中国版ツイッター「微博」も価値観が多様化するのを助けている。一人ひとりのつぶやきが、当局すら動かすことは、今夏の高速鉄道事故の遺族への賠償金引き上げでも実証済みだ。もちろん、共産党は政権批判につながる書き込みや活動にはしっかり目を光らせる。それでも党でメディア管理を担当する劉雲山・中央宣伝部長は「管理は難しい」と漏らす。

そんな自由と管理のはざまで揺れる中国社会に個性や感性を磨いた90後が入り込む。猛スピードで発展を遂げてきた“中国経済の申し子”とも言える90後は中国社会をどう変えていくのか。この世代で初めて大卒者が出るのは来年。その数は約600万人という。

(上海=菅原透)

"0922「お試し留学」で日本離れ解消 文科省、震災後の不安食い止め 学生150人無料招待"

東日本大震災後に広がった外国人留学生の日本離れを食い止めようと、文部科学省は21日、外国人学生を無料で2週間、日本へ招待する“お試し留学”を始めることを決めた。防災や復興の過程を研修で学ぶほか、被災地を訪れて住民と交流する。帰国後は日本の現状を説明する役割を担ってもらい、留学への不安解消につなげる。

事業は「ジャパン・スタディー・プログラム」で、来年度か再来年度に日本への留学を検討している150人を無料で招待する。中国や韓国、欧州、中東などに交換留学の提携校を持つ日本の大学を窓口にして参加者を募る。旅費などは文科省が負担し、今年度第3次補正予算案に1億円程度を計上する方針。

来日は来年1~2月を予定。まず東京で研修会を開き、日本人学生と一緒に日本の防災の取り組みや復興計画を学ぶ。講師は大学教員や被災地の自治体職員、民間人らが務める。「日本の現状について安全性などをいたずらに誇張せず、ありのままに伝える」(同省)狙いだ。日本のポップカルチャーなど文化に触れるイベントも行う。

津波で被害を受けた宮城県や岩手県も訪問し、現地の大学を視察したり、自治体や農漁協、非営利組織(NPO)で復興に取り組む人と意見交換したりする。同省の担当者は「防災や、人と人のきずなの大切さなど震災後の日本だからこそ学べることがある。日本留学に意義があると再認識してほしい」と話す。

帰国後は情報発信役になってもらい、現地の留学説明会などで日本の現状を伝えられるように支援。同省によると、今年4月1日時点で、留学生の受け入れが多い43大学に入学予定だった外国人留学生のうち、1割にあたる約600人が来日をキャンセルしていた。来年以降に入学が見込まれる外国人留学生も減少する恐れがあり、国際化を目指す日本の大学にとっては大きな打撃になる。

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"0819海外留学、脚光再び 国際性を企業が重視 円高も後押し、2~3割増"

低迷が続いた大学生の海外留学が回復しつつある。留学あっせん会社への申し込みや相談は前年に比べ2~3割増えた。最近は就職活動の開始が早まり、出遅れを懸念した学生の間で留学離れが続いていた。しかし、企業が語学力や国際性を備えた人材を積極的に採用する姿勢を強めたことや、円高で費用負担が軽くなったことで学生が再び留学に目を向け始めた。



人材サービス大手、テンプグループで留学あっせんを手掛けるテンプ総合研究所(東京・渋谷)では、来春以降に米国や英国の大学で学ぶコースへの申込者数が1年前と比べ3割増のペースだ。

英語力が重要になるとの判断のほか、円が2007年に比べ対ドルで約3割、対英ポンドで5割上昇したのも追い風になった。

留学あっせん大手、留学ジャーナル(東京・新宿)の1~6月の大学生の相談者は前年同期比約2割増えた。1~3年生が短期留学を希望する例が多い。

就職情報のディスコ(東京・文京)は留学支援のニーズが高いと判断し昨年参入した。

留学ジャーナルの推計では10年の留学生(語学留学を含む)は約18万3000人で前年に比べ18%増加。今年はさらに伸びるとみている。00年のピークの19万4000人から09年には15万人台まで減少していた。

文部科学省の調査でも留学生は08年まで4年連続で減少。就職活動の早期化や、学生が内向きになり挑戦意欲が低下したことなどが指摘された。

日本企業はグローバルな視点から採用活動を見直している。

KDDIは12年春の新卒採用で「グローバル(新興国開拓)コース」を新設。留学経験者などを積極評価し、入社後は海外事業関連部門に優先配置する。採用予定数の約1割にあたる20人程度を同コースで選ぶ。

イオンは11年度からの3年間で日本のほか中国などアジア中心に1万人超を採用する計画。留学生や外国語の話せる人材を優先して採る。ユニクロを展開するファーストリテイリングやソニーなども社員の国際経験や語学能力を人事面で重視する方針だ。

大学も学生の海外留学を後押しする。早稲田大学は交換留学プログラムを拡充。10年度の海外派遣留学生数は長期・短期合わせて1686人と前年度(1489人)を大幅に上回った。

東京大学も15年までに全学生が海外留学や派遣を体験できる体制を整えるのが目標だ。今年5月時点では留学中の学部生は53人と全体の約0.4%にとどまる。留学プログラムや留学情報説明会を拡充して目標の達成を目指す。